わかりやすい映画が好きだ。 しかし、わかりやすくて面白い映画を作るのは、実は簡単ではない。 わかりやす過ぎて、先が見え見えではつまらないし、 ご都合主義が過ぎるストーリーでは興醒めである。 期待どおりに進ませながら、なおかつ楽しませ続けるというのは、実は大変なことである。 大抵は妙にこねくり回して失敗する。 わかりやすくて思い切り楽しめた映画と言えば、 「Bの戦場」 という作品を思い出す。 そう言えば、こちらも結婚がテーマであった。 本作は、結婚相談所にまつわるあれやこれやを描いたコメディ。 不動産会社のモーレツ社員だった男が結婚相談所への出向を命じられ、 最初は馬鹿馬鹿しいと思っていたが、段々その意義に目覚め、 失敗を重ねながらも奮闘する。 主演の渡辺いっけいさんが、実にわかりやすい演技で盛り上げてくださる。 渡辺さんは、この映画の舞台となっている愛..
日本に数々の映画賞があるが、権威と格式という点では、 このキネ旬ベストテンが一番だろうか。 今年で96回目。 アメリカのアカデミー賞が今年で95回目であり、それより先輩というのが売りの一つ。 映画ファン注目の2022年のベスト・テン作品が、以下のように発表された。 第1位 ケイコ 目を澄ませて 第2位 ある男 第3位 夜明けまでバス停で 第4位 こちらあみ子 第5位 冬薔薇(ふゆそうび) 第6位 土を喰らう十二ヵ月 第6位 ハケンアニメ! 第6位 PLAN 75 第9位 さがす 第9位 千夜、一夜 ふむ。 正直、納得の順位と思う人はごくごく少数ではないだろうか。 例年そうした傾向はあるが、 興行的に成功した作品が全く入っていない。 ヒットする作品と評価すべき作品が異なるのはわかるが、 これだけ違うとそれはそれでしっく..
児童手当の所得制限撤廃で何を目指すのか、どんな効果を見込むのか ~1,500億円の意味はあるか~
政府が児童手当について所得制限を撤廃する方向で調整に入った と報道されている。 この件に関しては、野党ももろ手を挙げて賛成のようだし、 世の中的にも好感を持って迎えられているようだ。 所得制限を設けることが不適切であることを解説している方も多々おられる。 だから、きっと実施されるのだろう。 実施されるのは不可避として、 何のために? 何を目指して? どういう効果を目指して? 税金を投じて新たな施策を展開する以上、 それで何を目指すのか、 どんな効果を見込んでいるのか、 ということははっきりしていただきたいところである。 所得制限撤廃については約1,500億円が必要という。 「そもそも所得制限は無い方がいいものなので」 という理由だけで予算化すべき額ではないと思う。 ちなみに、 負の遺産呼ばわりされている国立競技場の公費負担は年間約10億円と報..
2022年の日本映画を振り返る ~ その4 「2022年私の選ぶ10本 その1」 ~
2022年の日本映画を振り返るシリーズの4回目。 前回は「困った映画」について書いたが、今回はよかった映画について。 当然、今回の方が楽しく書ける。 2022年に私が観た邦画は115本。 その中から心に残ったベスト10を選んでみたい。 これは外せない、とパッと浮かんだのは、 「すずめの戸締り」 「マイスモールランド」 「ハケンアニメ!」 「愛なのに」 「恋は光」 の5本。 「すずめの戸締り」は、現役最高のヒットメーカーである新海誠監督による震災をテーマにした作品。 映画会社の期待どおりにメガヒットを記録し、 なおかつ作家性も保たれている。 その覚悟に撃ち抜かれた。 「マイスモールランド」は、川和田恵真監督の商業映画デビュー作。 いい映画が生まれるときの奇跡が詰め込まれたような作品。 2022年の宝物。 主演の嵐莉菜さんは、これからグイグ..
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