ネット上の左右の全体主義を警戒しなくてはならない
左右の全体主義運動が日本を席巻しつつあるのではないか。今こそ保守派は警戒を怠ってはならない。それを考えるにあたって、私たちはハンナ・アレントの『全体主義の起源』で述べた言葉を参考にすべきだろう。「全体主義運動は、一貫性の虚偽の世界をつくり出す。その虚偽に世界は現実の世界そのものよりも人間的心情の要求に適っている。そのなかで根無し草の大衆は、全くの想像力を助けにしてくつろいだように感じ、現実の生活と現実の経験が人間と人間の期待に加える決して終わることのない衝撃から免れることができた」(マーガレット・カノヴァン著『ハンナ・アレントの政治』寺島俊穂訳)端的に言うならば、どこの組織や団体にも属せず、厳しい現実に向き合わなければならない者たちは、全体主義運動の煽ありに熱狂しやすいというのである。根無し草で拠り所を失...ネット上の左右の全体主義を警戒しなくてはならない