宋銭とデジタル人民元は違う
日本国には、12世紀から14世紀にかけて中国の宋が発行していた銅銭を大量に輸入し、自国で使用していたという歴史があります。日本国内では皇朝十二銭が途絶え、実質的に‘絹本位経済’となっていたため、市中の取引需要に応えるだけの貨幣供給がなく、また、金属貨幣の鋳造にもコストがかかったことから、宗からの大量輸入を選択したのでしょう。かくして宋銭こそ日宋貿易の‘主力商品’となったのですが、如何に大量に宋銭を輸入しても、日本国の経済が中国の宋朝に牛耳られたり、政治的なコントロールを受けることはありませんでした。何故ならば、貿易船に積み込まれて宋の地を離れた途端、宋銭と宋朝の関係は切れたからです。過去の宋銭使用の歴史からしますと、現代の中国がデジタル人民元を発行した場合、日本国内で同通貨が流通しても構わないとする意見も聞こえ...宋銭とデジタル人民元は違う