集団免疫の’プラセボ’という選択
人種間の摩擦が今なお社会問題として残るアメリカでは、ワクチン接種に際しても、白人層と黒人層との間には、著しい意識や行動の違いが見られるそうです。報道によりますと、新型コロナウイルスへの感染率や死亡率は黒人層の方が高いものの、ワクチン接種率は低いレベルに留まるというのです。ワクチン接種が始まった当初、医療保険制度の脆弱性から、低所得層ほど接種に積極的であると報じられていました。発症すれば高額の治療がかかりますが、ワクチンを打って予防すれば、治療費を心配しなくても済むからです。この説明に従えば、黒人層の方に低所得者が多いとされていますので、黒人層の接種率の方が高くなるはずです。しかしながら現実は逆であり、現時点では、両者の間では接種率に2倍ほどの差が生じているというのです(東部ペンシルバニア州で白人16%に対して黒...集団免疫の’プラセボ’という選択