米大統領選挙に見る民主主義と投票制度の問題
4年ごとに実施されるアメリカの大統領選挙は、同国のみならず全世界の運命をも左右しますので、別格というほどに注目度の高い選挙です。投票日は11月3日に設定されているものの、今般の選挙は、民主主義国家における投票制度の問題を浮き彫りにした選挙でもあったと言えましょう。民主的選挙の結果の正当性は、偏に選挙制度にかかっています。選挙人名簿の作成、あるいは、有権者登録から投票用紙の送付、投票、そして開票・集計に至るまでの各作業段階において、一寸のミスやエラー、並びに、不当行為は許されず、全てが見事なまでに正確でなければならないのです。国民一人一人の自由意思による政治的な選択が票として正確にカウントされなくては、民主的制度はその意味をなさないのです。しかしながら、今日の民主的選挙制度は100%正確である、と言い切れる人は、...米大統領選挙に見る民主主義と投票制度の問題