‘米市場自由化’の顛末とは-穀物法廃止の行方
1846年、イギリスでは、ナポレオン戦争を背景に1815年に制定された穀物法が廃止され、自国を中心とする自由貿易体制を確立させます。穀物法とは、輸入穀物に対して関税を課す政策であり、基本的には国内農業の保護を目的としたものです。同穀物法廃止については、教科書では、凡そ自由貿易主義の‘勝利’を決定づけた象徴的な出来事として説明されており、しばしば保護主義に対する自由貿易主義の優位性を実証したとも評されています。かのデヴィド・リカードも、穀物法の廃止を理論をもってして支えました。しかしながら、穀物法の廃止は、自由貿易主義の‘正しさ’を、事実によって証明したのでしょうか。この検証、今日の日本国における米の輸出拡大をめぐる議論を考えるに際して、極めて重要な判断材料を提供するのではないかと思うのです。穀物法の廃止が...‘米市場自由化’の顛末とは-穀物法廃止の行方
2025/05/19 12:13